クロスペンダントによる、伝統的なモチーフの十字架

<伝統的なモチーフとは、その形状と名称が古くから受け継がれ広く認知されているものを指します>


& キリスト教迫害時代のイエスと信仰のシンボル ~「魚」~ のペンダント

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   ラ テ ン 十 字 架
長い縦軸と短い横軸が縦軸の上部で交差しているクロスの基本形が、ラテン十字架と呼ばれます。
カトリックのクロスはすべてこの基本形をもとに形作られているともいえます。
ことにクロスの横軸と縦軸上部が同じ長さのモチーフはラテン十字架の原点的なものです。

ボイデド・クロス(ラテン十字形)


voided cross(隙間のあるクロス)と呼ばれるモチーフで、紋章十字架としても多用されました。
ラテン十字架の中心線を、四端を残して透かし彫りにしてあります。
 

   フローリー十字架


各軸の先端が花の形になっている代表的なクロスモチーフですが、三位一体を示すものでもあります。

   クローバー型のクロス

三つ葉のクローバーは三位一体の象徴で、教会の尖塔、典礼その他たいへん幅広く用いられるモチーフです。
 

     アンク十字架

エジプトに古くからあった生命の象徴のヒエログリフ「アンク」が、エジプトのキリスト教徒コプト人に受け継がれてアンク十字架と呼ばれるようになりました。

 
 日本のキリシタンのクルス

「干」の字形をしており「クルス」と呼ばれました。上の横軸は罪状書きを表しています。
キリシタンの墓標などにも刻まれているモチーフです。
 
  テンプル騎士団のクロス

陰謀により壊滅したものの名誉回復を遂げたテンプル騎士修道会のシンボルです。
騎士
団は各地に拠点を築いたため、クロスにはいくつかのパターンがあります
が、緩やかな曲線で構成されたシンプルなものを選びました。
    タ ウ 十字架

旧約聖書にも言及のあるたいへん古いモチーフで、縦軸の上部がないためタウ(T)十字と呼ばれます。
修道院制度の創始者と言われる聖アントニウスのシンボルで、後に聖フランチェスコにも愛用されました。
 

    マルタ十字架
八つの角を持つ聖ヨハネ騎士修道会(マルタ騎士団)の紋章十字架です。
テンプル騎士団のクロスもそうですが、騎士修道会は各地に拠点を築いたためクロスにはいくつかのパターンがあります。

    

    エルサレム・クロス

聖地エルサレムを象徴するクロスで、十字軍の紋章として知られています。
縦横同長のクロスを、同じく縦横同長の四つの小さなクロスが囲んでいます。
 
 
 サンティアゴ・デ・コンポステーラの

       十字架

3大聖地のひとつ、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラのシンボルで、3端アイリスのモチーフがあり、縦軸の下が聖ヤコブ(サンティアゴ)の槍を表しています。
  
  アイルランドのケルト十字架


ラテン十字架を円が囲んでいる独特のモチーフで、キリスト教以前の太陽崇拝に起源があるとも言われます。
 
                
      教皇十字架

Papal Cross(パパル十字架)とも呼ばれ、ローマ法王の典礼、儀礼の際に用いられる横軸が三重の十字架です。
 
 
    
   総大司教十字架

Patriachal Cross(パトリアカル十字架)とも呼ばれ、往時の総大司教の多大な権力を示す、横軸が二重の十字架です。
     
   
ロレーヌ十字架
間隔のある2本の横軸が特徴です。
族長十字架とも呼ばれますが、フランスのロレーヌ地方の伝統的な十字架で、ロレーヌ公が第1回十字軍の時シンボルとして使用したものです。
 

        ギリシャ正教の十字架

この縦軸と横軸が同長のギリシャ正教の十字架が、クロスのもうひとつの基本形と言われますが、正教にとどまらず、カトリック世界でも古くから用いられているモチーフです。
逆にカトリックのラテン十字形のクロスも、ギリシャ正教世界・ロシア正教世界でも広く用いられています。
 
 
 ロシア正教の十字架 (正しくは八端十字架)
ロシア正教の十字架には3本の横軸と1本の縦軸があり、計8つの軸端を持つことから正しくは八端十字架と呼ばれ、ウクライナ、ブルガリア、セルビアなどのスラヴ系正教会でも用いられるものです。
上の横軸は罪状書きの象徴と、下の横軸(斜軸)は足台の象徴とされており、イエスが磔刑に処せられた様子を忠実に表現していると伝えられます。
斜軸は向かって左上がりと決まっており、左上が天国を(ルカ23.43)、中央が現世を、右下が地獄を示すとも言われます。
 
 
三位一体を表すケルト模様 (1)
クロスではありませんが、古いケルト模様のうち、キリスト教の定着によって三位一体の象徴とされた、いわゆるトリニティ(3つ組)モチーフをペンダントにしてみました。
ひとつ目は古さを感じさせない幾何学的な組み紐模様で、外枠が極細の槌目光沢仕上げ、その内側が鏡面仕上げになっています。
三位一体を表すケルト模様 (2)
クロスではありませんが、古いケルト模様のうち、キリスト教の定着によって三位一体の象徴とされた、いわゆるトリニティ(3つ組)モチーフをペンダントにしてみました。
ふたつ目は左とは逆に太古を感じせる渦巻模様の透かし彫りペンダントで、外枠が極細の槌目光沢仕上げ、内側の渦巻きが鏡面仕上げになっています。
 
原始キリスト教のシンボル  メシアニックシール
メシアニックユダヤ教徒とも呼ばれる原始キリスト教徒が使っていた証印(シール)で、メノラー(燭台)・六芒星・キリストのシンボルである魚の組み合わせになっています。
エルサレムのシオンの丘の2000年前の遺跡の壺に描かれていたものです。
イスラエルの国石であるエイラットストーン(賢者の石)に似た青緑色と斑紋をモチーフの外側に、ラピスラズリに似た群青色をモチーフの内側に焼き付けました。
モチーフ自体は鏡面仕上げです。
 
 
キリスト教迫害時代のイエスと信仰のシンボル ~「魚」~ のペンダント
~クロスではありませんが、現在にも受け継がれている十字架以前の信仰の証しです~
313年にローマ皇帝コンスタンティヌス1世がキリスト教を公認するまでの迫害時代のキリスト教徒たちは、魚のモチーフをイエスと信仰のシンボルとして来ました。
その起源は明確ではありませんが、ギリシア語の「イエス=キリストは神の御子・救い主」という言葉の頭文字五つを並べると「ΙΧΘΥΣ」(イクスース)となり、それには「魚」の意味があったからというのが通説です。
2004年のイタリア・ドイツ映画「NERO」では、木製の魚のペンダントを付けたキリスト教徒が描かれています。
キリスト教の公認後、十字架が信仰上の重要なシンボルとなってゆきますが、魚のモチーフは現在でもイエスのシンボルのひとつです。
 

   魚のペンダント(A)縦型

上の説明にもある「ΙΧΘΥΣ」と魚のモチーフの組み合わせで、壁画にも残っているものです。
縦型にしてあります。
 
   魚のペンダント(B)


一筆書きのような愛らしい横型のペンダントで、目の部分が十字架状になっています。
 
 魚のペンダント(C)

立体的に交差した尾びれと大きな目が特徴的です。
全体を細かい槌目で整えた、ボリュームと遊び心のあるペンダントです。